ルフィ「おいゾロ」ギロッ
ゾロ「あぁ?ちゃんと付けてるだろ」
ルフィ「鼻が出てたら意味ねぇだろ!予防したくねぇのか!」ドン!
ゾロ「チッ……だいたいそんなに心配する必要ねぇだろ」
サンジ「お湯が沸いたからみんな飲んでくれ。57度のお湯でウイルスは死ぬらしい」
ルフィ「お、気が利くな。さすがうちのコックだ」
ナミ「トイレットペーパーは1年分買い貯めておいたから安心して」
ルフィ「おぅ、ありがてぇ。さすがうちの航海士だ」
ナミ「それよりルフィ、早くPCR検査できる島に行かなきゃ」
ルフィ「……そうだな。とにかく検査だ。検査しなけりゃ始まらねぇ」
ロビン「……」ガチャッ
ルフィ「!! おいロビン! 手てくるなって!」
ロビン「船長さん、さすがに過敏よ。私は大丈夫」
ルフィ「高齢者はリスクがたけぇんだ。俺は万が一にも仲間を失いたくなぇ!」ドン!
ロビン「まだ三十…」
ルフィ「うるせぇ! 籠もってろ!」バタンッ
チョッパー「おいみんなー」ガチャッ
ルフィ「!! おいチョッパー!! お前も出てくんな!」
チョッパー「なんで閉じ込めるんだ! おれは医者だし出来ることが…」
ナミ「動物に感染してもしウイルスが変異したらどうするのよ?!」
サンジ「そういうことだ。さらに進化されたらもう医者にも手に負えねぇ」
ルフィ「ちゃんと籠もってろ! 船長命令だ!」ドン!
ゾロ「ところでウソップのやつは迎えに行かなくて良いのか? そろそろ釈放されるだろ」
サンジ「……ったくあいつ……街で『俺は陽性だ』とか嘘ついて回って逮捕されやがって……」
ルフィ「迎えには行かねぇ」ドン!
ゾロ「なっ……なんでだよ??」
ルフィ「どっかで貰って本当に陽性になってるかも知れねぇ。そんなやつを船に乗せるわけには行かねぇ」
ナミ「悲しいけど……それが賢明ね。濃厚接触したくないわよ」
鳥「……」新聞ポトーッ
ナミ「あ、新聞。まずアルコール消毒して……」シュシュ
ナミ「えぇっと……見出し……え、えぇ!?」
ルフィ「どうしたナミ!?」
ナミ「ウソッ……赤髪海賊団が……集団感染だって……」
ルフィ「!!」
ゾロ「おいおい赤髪海賊団って言ったら……」
ルフィ「シャンクス……」
ナミ「それに……イーストブルーで医療崩壊だって……」
ルフィ「!!」
ルフィ「シャンクス……」
ゾロ「そんなに心配するこたぁねぇだろ。赤髪海賊団には屈強な男しかいねぇんだから」
ルフィ「でもシャンクスは障害者だし……高リスク者に含まれるはずだ」
ゾロ(腕がないのは関係あんのか……?)
ナミ「赤髪海賊団が停泊してるのはそんなに遠くの島じゃないわ」
ルフィ「!」
ナミ「すぐ行けないこともないけど……」
ゾロ「おいルフィ、変な気起こすなよ。素人が行ったって…」
ルフィ「……すぐに船を出すぞ」
草
大草原
サンジ「おいルフィ! 冷静になれ!」
ナミ「そうよ! いくら恩人だからって」
ルフィ「良いから出せ。船長命令だ」
サンジ・ナミ「!!」
ゾロ「……ったく」スタスタ
サンジ「おいお前!? 船を出す気じゃ」
ゾロ「船長命令だ。聞けないなら船を降りろ」
サンジ「!!」
ナミ「ルフィ!」
ルフィ「……」
ナミ「赤髪海賊団の船に行って何をするの? それを聞く権利はクルーにあるはずよ。答えて」
ルフィ「……」スゥ
ルフィ「沈めるに決まってるだろ!」ドン!
草
サンジ「ルフィ……お前っ……なにを……」
ルフィ「シャンクスは豪快なんだ。小さいことは気にしねぇ男だ。きっと少しでも具合が良くなればすぐに出航しちまう」
サンジ「だったらなんだって……」
ルフィ「そうなったら新世界にウイルスをばら撒く悪でしかねぇ。俺たちの冒険はどうなるんだ」
サンジ「なっ……」
ナミ「……それもそうね」
サンジ「ナ、ナミさん!?」
ゾロ「わりぃが俺もウイルスで航海を諦めるなんてゴメンだ」
サンジ「お前まで…」
ナミ「南東に向かって。風に乗ればすぐ着くわ」
ゾロ「了解」
ルフィ「……」指ポキポキ
「おっとっと~麦わら海賊団~??」ピカピカ
ルフィ「!」
ナミ「なに!? 光?」
黄猿「行かせないよ~」シュバッ
サンジ「た、大将黄猿!? なんでこんなところに…」
ルフィ「……お前」
黄猿「ゴホッ……ゴホッ……ゼェゼェ……」
ゾロ「あいつ……感染してやがる」
ナミ「しかもかなり重症……!」
黄猿「光の速度でゼェゼェ……感染したことはあるか~い?ゼェゼェ……」
サンジ「捨て身で俺たちに感染させに来たのか……!」
サンジ「ルフィ! どうする!?」
ルフィ「船を出せ。できるだけあいつから遠ざかるんだ」
ゾロ「了解」
サンジ「でもあいつは光……! そんなことしたって」
黄猿「おっとっと~ゼェゼェ……逃さないよ~? ゼェゼェ……」
ルフィ「とにかく船を進めろ」
黄猿「ヤタノ……」
サンジ「クソッ……いざとなったら俺が濃厚接触してでも止める……」
黄猿「ヤタノ……ゼェゼェ……カガ……ゼェゼェ……」フラフラ
黄猿「……」パタッ
サンジ「!」
ナミ「……終わりね。あの歳であれだけ進行してたら無理ないわよ」
黄猿「……」ピクッピクッ
ルフィ「サンジ、一応そこら中にアルコールを撒いておいてくれ」
サンジ「……」
草
海兵「元帥! 戦桃丸様より入電です」
赤犬「あぁ繋げ」ガチャッ
戦桃丸「グスッ……グスッ……おじきが死んだ」
赤犬「……そうか。無念じゃった」
戦桃丸「……ワイは次の作戦行動にうつる」
赤犬「わかった。ちゃんと防護服はきちょるな?」
戦桃丸「大丈夫だ」
赤犬「偵察によると、あと2時間ほどで黒ひげ海賊団の船がその島に着く」
戦桃丸「あぁ」
赤犬「黄猿の亡骸をそこに放り込め」
戦桃丸「……了解」
草
ルフィ「……」
ナミ「……ルフィ」
ルフィ「なんだ」
ナミ「……本当に良いの?」
サンジ(ナミさん……)
ルフィ「……恩人だろうが感染者には変わらねぇ。ウイルスに自由を奪われたやつは海賊として失格だ。せめて俺の手で…」
ナミ「そうじゃなくて」
ルフィ「?」
ナミ「遠くから沈めるんだからアンタが腕を伸ばして船を壊すんでしょ? 本当にそんな薄い手袋で良いの?」
ルフィ「……あぁ、ちょっと心配だな。いらねぇ服とかもっと巻いとくか」
サンジ「……」
ゾロ「その麦わら帽子を手につけて殴ればいいじゃねぇか。最期に持ち主に返すことにもなるぞ」ニヤッ
サンジ「!」
サンジ「おい、お前……! 冗談でも」
ルフィ「おぅ、良いアイデアだな。けっこう厚いし。返すっていう約束も果たせる。ニシシシ」
サンジ「」
ナミ「良いわね。正直、感染者の持ち物だからちょっと気持ち悪かったのよ、その帽子。もらったのが感染するよりずっと前って言っても、なんか気持ち的に」
サンジ「……」
サンジ(みんな……どうしちまったんだよ……)
間違いなく世界の敵やな
サンジ(コロナウイルスが流行って、世界は大きく変わった)
サンジ(色んな国が大騒動になってる。島単位で全滅したところもある)
サンジ(海軍も海賊も、色んな大物が命を落とした。パワーバランスが大きく変わりつつある)
サンジ(ウチは幸い、咳をしたブルックとフランキーをすぐに船から降ろしたことで、主力のクルーは無傷でここまで来てる)
サンジ(……でも)
ゾロ「赤髪海賊団はみんな感染してるのか?」
ナミ「いえ、半分は無事で、船内で隔離してるみたい。大きな船だから」
ゾロ「シャンクス本人はまだ感染してないかも知れないってことか」
ナミ「やり方によってはなんとか助ける方法はあるかも……」
ルフィ「いや、船ごと沈める」ドン!
ゾロ「あぁ、それで良い」
ナミ「無意味なリスクは犯さないのが懸命ね」
サンジ(みんな……"心"が感染してる)
主力とか言ってやんなよw
サンジ「……ふぅ」
ナミ「! サンジ君!?」
サンジ「……」カチッカチッ スパー
ルフィ「お前!! マスク外しやがって!」
ゾロ「それに煙草まで吸いやがって……! 煙草は禁忌だぞ!」
サンジ「なぁ……ルフィ」スパー
ルフィ「な、なんだ!」
サンジ「お前さっき、ウイルスに自由を奪われたやつは海賊失格だと言ってたよな?」
ルフィ「そ、それがなんだ!」
サンジ「お前はどうなんだ?」
ルフィ「!? 何言ってんだ?? 俺は感染してねぇぞ?!」
サンジ「お前は今、本当に自由か?」
ルフィ「!!」
一番笑ったわ
サンジ「ルフィだけじゃねぇ、みんなそうだ。コロナ騒動が起こってから、来る日も来る日もウイルスウイルス……」
サンジ「確かに感染予防は大切だ。でもそれで心まで縛られてどうする?」
サンジ「挙句の果てには、かかってるかもわからない恩人まで殺すなんて……まるでウイルスの下手人じゃねぇか」
ルフィ「で、でも死んだら元も子も……」
サンジ「伝染るときは伝染るし、死ぬときは死ぬ。海賊なのに心配しすぎて不自由してる方が元も子もねぇ、そうだろ?」
ルフィ「……」
サンジ「この海で一番自由なやつが海賊王なら、今のお前じゃ永遠に海賊王にはなれねぇ。俺は海賊王になる男のクルーだ。このままならこの船を降りる」
ルフィ「……おいサンジ」
サンジ「……なんだ」
ルフィ「マスクをして喋れ!!」ドン!
草
草
サンジ「おい! 俺の話を聞いてたのか!?」
ルフィ「おいゾロ、サンジを取り押さえろ」
ゾロ「了解」ガシッ
サンジ「なっ……クソッ……」
ゾロ「無意味な濃厚接触させんじゃねぇぞ。ほら、早くマスクをつけろ」
サンジ「おい!てめぇ!」
ナミ「サンジ君、まずマスクを付けて。私からもお願い」
サンジ「ナミさん!」
ルフィ「だから!!マスクを付けずに喋るなって言ってるだろ!!」ドン!
サンジ「……」
サンジ(駄目だ……みんな完全に"罹ってる"んだ……)
尾田本人が書いてるやろ
ネタでもキモ
海兵「元帥! 戦桃丸様より入電です!」
赤犬「おう、繋げ」ガチャッ
戦桃丸「作戦は完了した」
赤犬「そうか。黒ひげどもには感染しそうか?」
戦桃丸「おじきの遺体をバラして、黒ひげ海賊団が留守になったところで、主力クルーの部屋に切った部位をそれぞれ隠してきた。たぶん大丈夫だろう」
赤犬「そうか。手の込んだ作戦遂行、大義じゃった」
戦桃丸「おじきの死を無駄にはできないからな」
戦桃丸「……それで」
赤犬「あぁ」
戦桃丸「遺体と濃厚接触したワイはもう、クビなんだろ?」
赤犬「あぁ。防護服を着ていたとしても、海軍には戻れん。もう、お前が海軍施設に近づいたら問答無用で殺害するように通達されちょる。……すまんな」
戦桃丸「仕方ねぇさ。あんたの上がそう決めてるんだから。このウイルスで、世界政府は狂っちまったんだ」
ーーインペルダウンーー
ドフラミンゴ「フフッフフフッ。なぁおつるさん」
つる「……なんだい」
ドフラミンゴ「俺はここに収監された覚えはあるが、死刑になった覚えはねぇ」
つる「……」
ドフラミンゴ「それなのに俺を殺す気か? フフッ」
つる「……そんなこと思ってないよ」
ドフラミンゴ「…………」
ドフラミンゴ「おい!!」ギロッ
ドフラミンゴ「毎日新聞で外の情報は入ってきてるんだ!! 外では感染者も死者も増えるばかり!!」
ドフラミンゴ「インペルダウン(ここ)だってどうせ入ってきてるんだろ!? 隠蔽してるだけでなぁ!!」
ドフラミンゴ「いい加減俺にPCR検査を受けさせろ!!このクソババア!!」ドタバタ
つる「……」
つる(ここのところ毎日これだ)
つる(かつて悪のカリスマと呼ばれた男が……ここまで無様に取り乱す……)
つる(ウイルスは人を蝕む。……身体より心を)
捕まった後って事は割と最近で草
毎日新聞ネタ拾ってて草
それなのにびくついてるから滑稽なんやぞ
会話考えるの面倒だからしゃーない
このスレのどこで冷静で理知的なルフィ要素を見出したんや…
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旧ブログリサイクル記事
引用元: ・https://swallow.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1585147667/
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